宝石(ルース)のカットについて

ルースのカットについて
前回はルースの穴のある・なしについて解説していますが、
今回はカットについて、深掘りしていきます。
大きく分けて2つ
たくさんのカットがありますが、まずは
- ファセットカット
- カボションカット
の2つに分けて見ていきましょう。
①ファセットカットの特徴と種類について
ファセットカットとは?
ファセット(facet)とは日本語では切子面、すなわち宝石の表面に施された一つ一つのカット面の事を意味します。
平らに磨かれたカット面がさまざまな角度で組み合わさっており、幾何学的な形をしていることが特徴です。
ダイヤモンドなどの透明な宝石によく用いられるカット方法で、輝きを最大限に引き出します。

キラキラと光をよく反射して輝く様子を想像してみてね!
ラウンドブリリアントカット
光の反射や屈折率などを計算した上で、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すために考案されたカットです。
ブリリアント(Brilliant)は輝くという意味があります。
ダイヤモンドの代表的なカットとなっています。
また、ダイヤモンドの鑑定書には「4C」と呼ばれる4つの基準があるのですが、基準の1つであるCut(カット)の項目では、ラウンドブリリアントカットが採用されています。
オーバルカット
楕円形をしていて、丸みがありながらラウンドよりスッキリとした印象。
美しさとカラット重量の保持について一番バランスがとれるため、最も良く使われます。
縦横の比率は2:1がとても綺麗と言われていますが、それ以外の比率のルースも多数あります。
クッションカット
宝石の上面が長方形または正方形で、角が丸みを帯びているカットです。
クッションに似ていることからこの名前が付けられました。
カット面が大きいため宝石の透明度を引き立たせ、より光り輝かせる効果があるカットです。
プリンセスカット
ラウンドブリリアントカットの正方形バージョンです。
クッションカットと同様に、宝石の光沢を最大に生かします。
ローズカット
16世紀から17世紀にかけて考案されたと言われる長い歴史を持つカットで、アンティークジュエリーのダイヤモンドにもよく見られるカットです。
24の三角形の面で構成されており、上から見ると円形、横から見ると山のような形をしています。
形がバラのつぼみに似ていることが由来です。
キラキラというよりはウルウルという表現が似合う優しい輝き方をします。
ペアシェイプ
別名ティアドロップカットとも呼ばれ、涙型のような雫の形をしています。
一方の端は尖りボトムは丸みのある曲線で、シャープさとエレガントさを併せ持つシェイプ。
縦長だとよりスッキリ、横長だと栗のようなコロンと可愛らしい印象になります。
マーキスカット
細長く両端が尖っており、真ん中が丸みを帯びた形をしています。
上からまっすぐに見下ろすと、ラグビーボールのように両端が一点まで引き延ばされた長円形に見えます。
縦横の割合は2:1の比率が一般的です。
トリリアントカット
三角形のシェイプを基に少し丸みを帯びています。
等辺形なため、多くの光と色を返します。
ラウンドカットにほぼ近いブリリアンスがあると考えられているので、キラキラとよく輝きます。
バゲットカット
バゲットとはイタリア語で「棒、杖」を意味する”bacchetta”からきています。
ほとんどの長方形の面は「ステップカット」で、下部のファセットが階段状に、縁は平行に、頂点が切り落とされたピラミッドのようにカットされます。
スクエアカット
側面が同じ長さの特殊な四角形です。ほとんどの長方形の面は「ステップカット」で、下部のファセットが階段状に、縁は平行に、頂点が切り落とされたピラミッドのようにカットされます。
エメラルドカット
長方形に角をわずかに切り落とした形です。
その名の通り、エメラルドによく用いられるカットです。
宝石の色を最大限に引き立たせますが、インクルージョンがより目につきやすくなるのでインクルージョンが少なめの石に最適です。
オクタゴンカット
長方形に四隅が斜めにカットされたものを言います。
またファセットは宝石の周囲に平行かつ階段状に配置されています。
エメラルドカットとの違いは、下部の段が等間隔ではない、という点です。
ハートシェイプ
その名の通りハート型にカットが施された可愛らしい形。
縦横比は1:1をわずかに越えて、およそ1.1:1の縦長になりますが、1.2:1より長くならないほうが良いとされています。
原石をふんだんに使う贅沢なカットです。
ブリオレットカット
ドロップ(しずく)型またはペア型のカットで、周囲をぐるりとファセットで囲まれています。
ダイヤモンドよりも色石に多く使用されるカットです。
他にもたくさんのカットがあります。

いっぱいあるのはわかったけど、どうやって選べばいいのかわからないよー
と思うかもしれませんが、
実際に見たり購入していると、よく目が行くお気に入りのカットが見つかったりします。

またペアシェイプの宝石が気になったよ。

私もいつもラウンドばっかり買ってるかも。
②カボションカットについて
カボションカットはカット面がなく、丸みを帯びた形をしています。
一般的によく販売されているのは、
下部の面が平らになっていて、上は丸みを帯びたドーム状になっている形です。
- 翡翠(ヒスイ)
- オパール
- トルコ石
などの半透明や不透明な宝石に施されることが多い傾向です。
また、一部の特殊効果を持つ宝石の効果をより引き出し魅力的に魅せる場合にもよく用いられます。
また、表面にカットが施されていない為
〝ぷるん〟とか〝つるん〟とした果実のような瑞々しい雰囲気を引き出したり
宝石の中の内包物を見やすく楽しめるようにする為にこのカットが用いられる事も多いです。

ぷるぷるしたゼリーみたいで美味しそう!

なんだか可愛くてなでなでしちゃうよ。
ファセットカットのように、
ラウンド以外にも
- オーバル
- ペアシェイプ
- ハート
など、たくさんの形があります。

ぜひあなたのお気に入りのカットを見つけてね